カワイコちゃんを2度見る
総武線各駅停車三鷹行きに乗っていた時、ガラガラの車内で何故か座っている私の前に小さな女の人が立っていた。
じっと見ている。何故だろう。
最寄駅についてすっと立つ、チラッと目をやると小学生くらいの女の子だった。
私が降車するまでずっとこちらを見ていた。何故だろう。軟骨のピアスをいじる。
昨日の夜、大阪から来た大好きなお姉さんが泊まりにきていた。
私が仕事を辞めて日本中フラフラしていた時も、ずっと家においてくれた優しいお姉さん。
ラフランスのチューハイを飲んでチーズを食べながらおしゃべりしたり、お菓子や小さな香水をもらったりした。自分の話を聞いてもらう事が実はあんまりないので、明け透けに話せる関係の人がいるのはとても嬉しい。
いい匂いのボディクリームを塗り塗りして、毛布に包まってちんまりと寝る姿が可笑しくて可愛かった。男の人はこんな気分なんだ。
ずいぶん朝寝坊をして起きて、行きたかったスヌーピーミュージアムへ。
今年のテーマは「恋ってすばらしい。」
私はスヌーピーが好きで漫画やアニメもよく見ていたが、「恋」という観点で改めて観るとなんだか切なくて可愛くておかしかった。
谷川俊太郎訳も素晴らしくて、心臓をグワッと掴まれるようなポエムだった。
手を伸ばして思い切ってあなたに触れたい
そう思った時もうあなたは他の人ごみに紛れて
好きなコミックスの思い出に微笑んでいる
側にいないとあなたは夢になってしまう
歌のひとふしになってしまう
シュルツ氏が夫人へ宛てたラブレターなども展示されていた。
スヌーピーのモデルとなった太ったビーグル犬の写真がこれまたかわいく。
犬は人間の最良の友達なのだ。
同じ時期に愛犬を亡くした二人で終始愛おしんだスヌーピーミュージアムだった。
新幹線の時間があったのでバイバイする。大好きなお姉さんはかわいい顔をしたスヌーピーのぬいぐるみを持って東京の人混みに消えた。
そのままもう一つ行きたかった大島智子さんの展示を観に渋谷へ。
アンニュイでエッチでインモラル。
伏し目の女の子、空っぽのコンドーム、iPhone、ちょうどいいセックスフレンド、キャミソール、吸い始めたばかりの好きでもないタバコ、ラブホテル。言うまでもなくさみしい。私はこういう表情をした女の子の恋ばかり見てきたような気さえする。
寂しいからセックスをするというよりは、セックスしたことで寂しくなるのか。
瞼をきらきらさせたお洒落な女の子達が一生懸命に絵を見ていた。
じっくり眺めて、帰ってきた。
よるのひるねで漫画を読んだ。
飲んでいたアイリッシュコーヒーが冷めたので帰ろう。
あなたがいない天国は地獄