うわごと

僕のマリ

2019-01-01から1年間の記事一覧

悩んでなんかないわよね

「どこへ行ったの どうして泣くの 夢は叶えるものよ」 人生に絶望していたときにスーパーカーの「DRIVE」を聴いて、杉並のアパートで号泣したことがある。夢だの希望だの愛だの、そういう平凡な言葉はどうでもよかったし、聞き飽きていたはずなのに、なぜか…

思い出になんてなんないで

文学フリマ東京が終わった。昨年の春に出店するまで存在すら知らなかった文学フリマが、いまやわたしの人生の一大イベントとなっている。本を愛し、本を書きたい人たちの慈しみ。書き手と読み手が運命のような出会いを果たす、夢が詰まったイベントだ。 いつ…

好きだけど愛せやしない

真夏でも氷のようにつめたい手足が、いま、感覚を失っている。熱い湯を沸かしながら部屋のオレンジの光をつけて、何度も何度も聴いたギターの音をなぞる。入浴剤はラベンダーがいい。淡いむらさきの色が好きだから。 私小説『いかれた慕情』を出してから一年…

いつか動かなくなる時まで遊んでね

9月1日日曜日、晴れ。早起きしていつもより少し丁寧に身支度をして電車に乗る。井の頭線、小田急線ともに久々だ。長いスカートを踏んづけそうになりながら乗り換えて、着いたのは世田谷代田。初めて降りる駅だ。降り立つとほぼ閑静な住宅街で、鎌倉通りを…

汚れたせっかくの一張羅

群馬県前橋市にある「世界の名犬牧場」へ。犬が好き過ぎて、定期的に犬に触れないとおかしくなりそうなのだ。 伊香保温泉に宿を取り、温泉を満喫して、電車とバスを乗り継ぎ名犬牧場へ向かった。 交通の便に関しては車が断然おすすめだが、わたしは免許を持…

きみはぼくのまぼろしだった

土曜日の夜、なんだかなあと思いながらぼんやり過ごしていたらリノちゃんから猛烈にLINEがきていた。 彼女は週末に大阪から東京に遊びにきていて、わたしたちが遊ぶ約束をしているのは月曜日のはずだったが。 「いまからお茶せえへん?」との誘いに二つ返事…