いかれた慕情

僕の天使マリ

君を抱きしめて、朝まで泣き続ける

 

気圧のせいなのか体調のせいなのか気分が物凄く塞いでいて、定例の電車に乗って井の頭公園のベンチに座ってぼーっとする、というのをやったら少しだけ視界が開けたような気もする。

わたしはもともと暗いから、一度どんよりすると、どんどん目の前が真っ暗になっていくきらいがある。

今日も自分の人生について考えていたらそういえば友達が居ないとか同窓会に呼ばれた事がないとか悪い事ばかり考えてしまって、「ああ死にたい…」とか思ってたら散歩中の犬が寄ってきて戸惑うことなく撫でたらだいぶマシになった。

ぬいぐるみみたいな手触りの黒いトイプードルが短いしっぽをパタパタさせながら手をペロペロ舐めてくるだけでわたしの「死にたい」はどうにかなる。犬が好き過ぎる。

 

 

 

先週は映画館で「フロリダ・プロジェクト」を観た。

以前から気になっていたので、気分転換に夜出かけてチケットを買ったらサービスデーらしくて混んでいた。

わたしはほとんど洋画しか観ないんだけど、多分色覚的な要素が大きいのかもしれないと気付いた。

鮮やかなブルーの家とか、黄色いスクールバス、メロンソーダ、どぎつい赤いリップ、そういったものに対する憧憬が強いのだと思う。

 

「フロリダ・プロジェクト」は建物も服も髪の毛もカラフルだけど、食べ物は全部茶色い。

ワッフル、ピザ、ベーコン、クロワッサン、全てお行儀悪く食べる。

いい大人なのに真似したくなる。

 

支配人のボビーがモーテルの子供達に近付く不審者を物凄い剣幕で追い払うシーンが一番良かった。

 

いつもユジクに行ったらrojiで一杯飲んで帰るんだけど、映画観終わる頃には体調がかなり悪くなっていたので大人しく帰った。

 

最近の体調不良は貧血が酷くなっていることが大きな原因のようだ。

下瞼を裏返すと真っ白になっている。

わたしは忙しさとだるさにかまけて食事をおざなりにする癖があって、カップ麺を二口食べてやめるとか菓子パン一つで一日過ごすとか、そういうことばかりやっているのですぐダメになる。

昨年もそういうのでガリガリになって、帰省した時に親戚がドン引きして無理矢理鰻屋に連れて行かれた。

ちゃんと食べよう。

 

そういえば体調が限界だったのか何なのか、先週金縛りに遭った。

部屋で昼間うとうとしていたらピキッとなって動けなくて、そうしたら部屋の窓がスーッと開く音がして、目を開けたいんだけど開けられない。

何度か力を込めたらうっすら見えて、人影が見えたんだけどそれがまぎれもない自分で、ベッドからフワッと浮いて部屋から出て行きそうになって。

「待って行かないで」と思っているうちに金縛りが解けて、汗でびっしょりの身体で部屋の窓が閉まってるのを確認した。体感時間は15分くらいだったけど2、3分しか経っていなかった。幽体離脱ってあんな感じなのかな。

 

そんなことより、パソコンがいつ逝くかわからない恐怖に苛まれている。

オバケにならないでほしい。

長い間練ってた文章がやっと書き上がりそうで、もう一踏ん張りだ。

書いてる途中で色々なことを思い起こして少し涙ぐんだりしてるから全然進まない。本当に。馬鹿みたいなんだけどそういうことだ。

初めて出した本も、実のところかなり難産だった。何を書いたら良いか最後の最後まで考えあぐねた結果、だったらもう一番苦しいことを書こう、と決めて血を流しながら時間をかけて生まれた。

あともう少し頑張ってこの夏と決着をつけたい。

 

iPodを持って少し散歩してこよう。

わたしの気分はすぐ変わるから大丈夫だ。

 

 

 

ほんのちょっと困ってるジューシー・フルーツ

順調に腐っている。

先程やっとのことで色褪せてる上に穴の空いたmogwaiのTシャツに着替えてファミマでお弁当を買った。

自炊を全くしないので、弁当の空き容器ばかりが部屋に溜まっている。

忙しさにかまけて部屋が散らかりまくっていたので、ありとあらゆるモノを捨てた。捨てるのはかなり気持ちいい。

2ヶ月でやめたバイトの制服も、本来返さなければいけないらしいが可燃ゴミに捨てた。

 

不可解かとは思うが文章を書く休憩に文章を書いている。

各位、色々と進めているのでもう少々お待ちください。

今月末までにカタをつけます。週末のフジロックも諦めました。

ネットプリントを始めた頃、毎週読んでくださっている方からDMが届いて、「毎週発行してもらえるのは嬉しいのですが、文字数も多いしこのペースでは途中でやめてしまわないか心配です」と書かれていたことがある。彼を予言者と呼ぼう。

やめることはないけれど、他にやることが多くて最近更新できていない。

とはいえ、松本亀吉さんの「溺死ジャーナル」に寄稿させて頂いたので良かったらそちらを読んでみて欲しい。

 

書きたいことは多過ぎるのに手が追いつかない。

わたしはパソコンが苦手なので文章はほとんどiPhoneで書いている。

どれくらい苦手かというと学生時代の課題レポートを8000字とかの文章も全部手書きで提出していたレベルで苦手だ。

友人には「狂気のレポート」と呼ばれていた。

教授に申し訳ない。

それでも印刷所に入稿する時などはパソコンを使わざるを得ないので、頑張っているけれど、タイピングがめちゃくちゃ遅い。

iPhoneだけでは事足りないことも多いので、頑張ってパソコンを使いこなせるようになりたい。

 

最近改めて「集団」が苦手なことに気付いた。4人でもう限界だ。

学校もロクに通えなかったし、塾にも適合できなくてずっと家庭教師がついていた。

そもそも昔から同年代や年下の人がかなり苦手だった。

全然コミュニケーションが取れなくて息苦しいので、出来ればなるべく関わりたくない。例外もあるけれど、基本的に平成生まれの人とは馬が合わない。

末っ子なので、自分よりずっと年上の人と一緒にいるのが一番気楽で居心地がいい。15人いる従兄弟の中でも一番年下だ。いろんな意味で甘えのプロだ。

今までの恋人もずっと年上ばかりだったし、なんとなく素のままでいられる。

でも近所のコンビニでバイトしてる高校生くらいの子たちは凄くかわいいなあと思う。

 

コンビニのエロ雑誌コーナーを見て男はいいなあと思った。女体ばかり消費されている。

わたしはおじさんのグラビア写真とか見たいのに不公平だと思う。

 

ダメ元で応募してみた清野とおるさんのトークイベントが当たって嬉しい。

イープラスで完売していて、ほぼ諦めていたので喜びもひとしおだ。

何が基準で当選者を選ぶのかわからないけれど、「熱い思い」が伝わったようで良かった。

 

twitterは自分の部屋のようなものなので、見たい人だけ見てくれたら良いと思っているのだけれど、つい最近「♡おちんぽビンビンランド♡」という方にフォローされていることに気付いてめちゃくちゃ笑ってしまった。

フォロワー欄を少しスクロールしてみると、「ふぐり」さんにもフォローされていた。

ちんぽとキンタマに囲まれてしまった。

「♡おちんぽビンビンランド♡」さんは多分かなり良い方だと思う。

わたしはといえば、SNSで顔も名前も知らない人の家の犬や猫の写真に無限のいいねを送る日々だ。

 

ちんぽといえば、こだまさんの「ここは、おしまいの地」が講談社エッセイ賞を受賞されたようで、本当に喜ばしくて胸がいっぱいになった。おめでとうございます。

 

お風呂に入ったらパソコンと格闘する。

YUKI岡村靖幸のツーマンに応募した。当たりますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相当ご機嫌ねワンワン

昨日は群馬県前橋市にある「世界の名犬牧場」へ行ってきた。

 

車で行ければ便利なのだが、わたしは免許を持っていないので公共交通機関を利用。

前橋駅よりバスで30〜40分、終点の「富士見温泉」下車3分ほど。

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710212115j:image

f:id:bokunotenshi_66:20180710212334j:image

 

ぐんまちゃんとゆるいキャラクターがお出迎え。
f:id:bokunotenshi_66:20180710212338j:image

 

入場料は大人650円。安い。

平日の真っ昼間だったので客足はちらほら。カップルが何組かいた。

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710212628j:image


f:id:bokunotenshi_66:20180710212624j:image

園内はこんな感じ。

抜けるような青空と広大な芝生。

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710212721j:image

明日香キララさんのサイン色紙があった。

明日香キララさんも犬がお好きなのだろうか。

 

 

世界の名犬牧場では「お散歩サービス」というものがあり、各々が好きなワンちゃんと敷地内を散歩できるという艶かしい体験ができる。

ランキング表が貼ってあった。

f:id:bokunotenshi_66:20180710212841j:image

柴犬の仁。
f:id:bokunotenshi_66:20180710212832j:image

 

さあお待ちかねのふれあい広場へ。

「たくさんのわんちゃんが待っています♩」だそうで…

f:id:bokunotenshi_66:20180710212837j:image

歩みを進めると…

f:id:bokunotenshi_66:20180710213214j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710213217j:image

わんちゃん達のお出ましだ〜〜!!

とても人懐っこいので、一目散に駆け寄ってくるわんちゃん達。

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710213324j:image

二重の扉を超えると自由に触れ合える。

嬉しさのあまり手が震える。

扉を開けるや否や、尻尾を振りながらわたしにまとわりつく犬達。

犬屋敷の主人のような気持ちになる。

ベンチがあるので腰掛ける。

f:id:bokunotenshi_66:20180710213740j:image

チーム小型犬達の猛攻に遭う。

なんだか目力が凄い犬がいた。
f:id:bokunotenshi_66:20180710213733j:image

なかなか味のある表情をしている。

切実な視線に胸を打たれた。なんなんだこいつ。

 

スピッツ犬がわたしの隣に腰掛けたのでフワフワの毛を触らせてもらう。

わたしのカーディガンは白い毛だらけ。

f:id:bokunotenshi_66:20180710214240j:image

見切れているが、犬に浮かれているわたしのカバンに顔を突っ込んで食べ物を探す蛮族を発見。ただちに注意する。
f:id:bokunotenshi_66:20180710214243j:image

この顔である。

f:id:bokunotenshi_66:20180710222303j:image

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710214119j:image

しかし、カワイイ。カワイイ。カワイイ。

日常生活で人間には全然好かれないが、犬にモテるなら十分だ。

f:id:bokunotenshi_66:20180710214801j:image

フレンチブルドッグと日本スピッツを膝に乗せて筆者ご満悦。

違うふれあいコーナーに行こうと立ち上がり歩き始めると上手く歩けない。

おや………?
f:id:bokunotenshi_66:20180710214806j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710214755j:image

フレンチブルドッグがストーカー化している。カワイイ困ったさんだ。
f:id:bokunotenshi_66:20180710214810j:image

 

f:id:bokunotenshi_66:20180710215109j:image

大きい犬コーナーへ。

ゴールデンレトリバーシベリアンハスキー

自分とどっこいどっこいの体重の犬達に詰め寄られると嬉しい悲鳴。
f:id:bokunotenshi_66:20180710215114j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710215100j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710215105j:image

でっかい犬を飼うのが目下の夢である。

 

柴犬のプリケツを激写。表情にご注目。

f:id:bokunotenshi_66:20180710215410j:image

 

続いてポメラニアンの間へ。

ポメポメしなすって。

f:id:bokunotenshi_66:20180710215558j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710215549j:image

扇風機が其処彼処にあるのでちゃんと涼しい。ポメ毛がなびいている。

 

屋外でお昼寝する犬たち。

キャバリアキングチャールズスパニエル。
f:id:bokunotenshi_66:20180710215540j:image
キュッとした小さな頭がチャームポイント。
f:id:bokunotenshi_66:20180710215553j:image

マルチーズ。お水飲んだばかりで口元がびしゃびしゃだね。
f:id:bokunotenshi_66:20180710215535j:image

美しさの極みボルゾイ

不思議な体躯をしている。

優雅な見た目の割にはやんちゃ。

f:id:bokunotenshi_66:20180710215831j:image

 

そして、アメリカンコッカースパニエルのクーちゃん!

f:id:bokunotenshi_66:20180710220019j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710220014j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710220010j:image
f:id:bokunotenshi_66:20180710220005j:image

 

昔実家で飼っていたのはこの犬種。

懐かしい佇まいと触り心地に泣きそうになる。

この子がまた人懐っこくてずっと隣にいてくれた。カワイイ。マンモスカワイイ。

何気なく手を差し出したらお手もおかわりも出来るお利口さん。

かわいすぎるのでずっと構っていた。

近くにいたご夫婦が「あのベージュのわんちゃん、あのお姉さんが大好きなのね」と言っていて嬉しくなる。

長い耳をパタパタさせたり丸っこい頭を撫でたりと忙しかった。

撫ですぎてハゲちゃうかもと思うくらい撫でた。

 

おやつを買ったのであげることにした。

みんな寄ってきてアピールをするので平等にあげていたら、少し離れたところから寂しげな視線を感じた。

f:id:bokunotenshi_66:20180710220255j:image

このしみったれた顔。
f:id:bokunotenshi_66:20180710220246j:image

骨の形のクッキーをあげた。

犬にもいろんな性格があるものだ。

おやつをあげるとすりすりしてきた。カワイイな。

f:id:bokunotenshi_66:20180710220658j:image

おやつはこんな感じ。ジャーキーとクッキーの詰め合わせ。

f:id:bokunotenshi_66:20180710220753j:image

 

ちいさなカフェもある。

犬用の食べ物も販売している。

ドッグラン併設なので犬連れの人にもうれしい。

f:id:bokunotenshi_66:20180710221008j:image



バスの時間の都合で帰ることに。

前橋市は32度くらいの猛暑だったが3時間くらい堪能した。また近いうちに絶対に行く。

犬が大好きな方は是非行ってみてほしい。

犬仲間が欲しいので犬の話をできる人を募集している。

やはり狂おしいほど犬が好きだ。

 

最後に帰りのバス停に向かう途中にあった狂気のラーメン屋(何故かステージがある)

f:id:bokunotenshi_66:20180710221552j:image

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腑抜けを思い知りたい

昨晩酷い怪我をして、痛いので病院へ行こうと思ったらどこもかしこも休診日だった。わたしの病気や怪我は休診日に限って訪れる。

 

かねてより応援していたプラスチック米さんのライブへ行って楽しくなる。

子リスのようなかわいい笑顔を見て傷のことを少し忘れる。

ファーストアルバム発売おめでとうございます。

「ADHDANCE」を何度も聴いている。わたしもADHDらしい。

 

日曜日、ドラマのエキストラというものに参加してみた。

早朝5時に起きて朝の新しい空気を吸いながら川崎市へ。早起きは苦手だが、こんなに清々しいなら朝も悪くない。

指定された場所でロケバスというものに乗り、舞台となる大学へ。

隣り合った若い女性と仲良くなった。

自分で言うのもおかしいが、服装や雰囲気からしていかにも友達っぽい組み合わせだった。

実際にスタッフの人も友達だと思っていたようだった。

彼女はわたしの二歳下で、給食センターで働いているらしい。

いつかなりたい職業だったので色々聞いてみた。

一番人気の給食は「ABCスープ」だという。我々が子供の頃からある、アルファベットのマカロニが入ったあのスープだ。なぜか不朽の1位らしい。爆笑してしまった。

あとは「おこわ」も人気だという。東京の小学生は渋い。

 

主演の俳優さんが好きだという彼女は、嬉しそうにはにかんでいた。

自分は家にテレビが無いので存じ上げない、と言ったところ、テレビがない人なんているんだ…と絶句していた。

わたしは音楽を聴いたり本を読んだりしているだけで楽しいのでお得な性質なのかもしれない。

 

撮影は滞りなく終了、いい経験となった。2019年が楽しみ。生きよう。

 

 

先週、某シンガーソングライター主催の飲み会にお邪魔させて頂いた。

電車を乗り継いで目黒まで行った。目黒は初めて降りた。

全員初対面だったが、あまりにも名の知れた方達ばかりだったので急に畏れ多くなってビールを物凄い速さで飲んだ。気付くのが遅すぎる。

大人しくしてればいいのに、結果最年少なのに(MTのお坊ちゃんを除けば)一番酒を飲んでしまった。

 

ネットプリントで文章を書いている」と言ったので、飲み会の後に近くのセブンイレブンへ行く流れとなった。

まさか本当にプリントされるはずはないだろうと思っていたら本当にプリントされた。

目の前で自分のエッセイがプリントされるところを見るのは感慨深く、網膜に焼き付けておいた。よりによって一番しょうもなくて露悪的な回だった。

 

しかし、それから数日経って、飲み会で出会った北村早樹子さんがブログでわたしの文章について言及してくださった。

「瑞々しいたましいが爆発した、切実な文章」という一節に目の奥がツンとする。北村さんも文章を書かれているので、正直自分の文章を読まれるのが怖かった。評価をされるのが怖いのか、無能を思い知るのが怖いのか、或いは両方かもしれない。

しかし北村さんは「読み足りない」と文芸誌を買ってくださって、心のこもったDMまで頂いた。嬉しかった。

 

とうとう文学フリマで売っていた冊子が売り切れた。本当に有難いことだ。

次の作品に向けてあれこれ思案している。次は秋の文学フリマ東京。

 

そして本日、松本亀吉さんの「溺死ジャーナル」がセブンイレブンネットプリントで解禁。

先日の飲み会で初めてお会いして感動した。イケメンだった。

なんと、ネットプリントはわたしに倣ってやってみました、との嬉しいお言葉を頂いた。

いつも発表する側なので初めて読者としてネットプリントを操作して印刷する。

このドキドキ感がたまらない。

 

家に帰って一気に読みながら最後の一枚を捲ると、「『僕のマリ』とは何者なのか」という見出しに素っ頓狂な声を上げてしまった。

突然自分が登場したので恐る恐る読み進めていくと、またわたしのエッセイについて言及してくださっていた。

言わずもがな、ライターである亀吉さんにも読まれるのは怖かった。とても怖かった。薄眼を開けて文字を追う。

 

「本人は『うしろ暗い』と言うが、どんな苦境や意地悪を書いてもマリさんの文章は明るい」(溺死ジャーナル711より)

胸がいっぱいになった。

やっぱり、ほんの少しでいいから光を持ちたい。

何者かになれる日まで書き続ける。

f:id:bokunotenshi_66:20180705002447j:image

 

 

それぞれのスピードでどこまでも行こうよ

不運なことに、25年間で3回交通事故に遭っている。

オカルト信仰のある知人からは「絶対に取り憑かれてるからお祓いに行きなよ」と代々木の神社を紹介されたが、「確かに頭は打っているがいずれも軽傷だったので、むしろ強力な守護霊が憑いているに違いない」と言って論破することに成功した。

 

しかし、いかんせん不注意が多くぼんやりした性格なので、車の免許を取る事は自粛した。

それ以前に自転車に乗れなかった。

わたしはかなりどんくさくて運動音痴なので自転車すらまともに漕げなかった。25年8ヶ月そうだった。

しかし、ある日を境に急に乗れるようになった。

 

知り合いの女の子が自転車を新調したので、かわいいね、と褒めたところ、「乗ってみる?」と勧められた。

彼女はわたしが自転車に乗れないことを知っている。

「いやいや、無理だよ、絶対転ぶから」

「試しに!試しに跨いでみなよ」

「わかった…傷つけないようにする…」

 

自転車のロックを外し彼女との10cmの身長差を埋めるべくサドルを下げてもらう。跨ってみる。ぐらぐらする。しかし、足はつくので何となく安心する。

小学生の時、一輪車が異様に上手い女の子居たな〜とか思いながら、思い切ってペダルを踏んでみる。

よろよろよろ…ナメクジのように前進した。

 

乗れた!!!

 

ちょっと信じられないのでしばらく漕いでみる。

スイ〜〜…風を切り、短い髪がなびく。スカートがはためく。気持ちいい。

こんなに気持ちいいとは思わなかった。

 

「乗れた!自転車乗れた!めっちゃ楽しい!ありがとう!!」

自転車を降りて、人目を憚らず彼女に感謝した。

 

さて、乗れるようになったらなったで、急に自転車が欲しくなってしまった。

今までは乗れなかったので当然欲しくもならなかったが、乗れる今では話が違う。喉から手が出るほど欲しい。

 

安いママチャリだと一万円くらいで売っているだろうが、わたしが乗らせてもらったのは小さいチャリだ。

総称が分からないが、車輪も小さくて全体的にコンパクトなタイプのもので、身長的にもそれにしか乗れない。

 

欲しいけどすぐ必要って訳でもないし…とぼんやり考えていた。

 

自転車に乗れることが発覚した三日後、行きつけの喫茶店で絵描きのAさんとお茶をしていた。

Aさんは次回の文学フリマのイラストを担当してくださるので、その話をしつつ、のんびりのほほんとお茶を飲みながら雑談していた。

彼女も身長が148cmほどで、いつも小さいチャリに乗っていた。

 

そこの喫茶店のマスターの爺さんが気さくで色々話しかけてくるのだが、その日唐突に、「ねえ、チャリいらない?」と切り出された。

 

胸の内を読まれているのか、スマホの広告のような的確さに一瞬心臓が止まりそうになるも、「欲しいです、ちょうど欲しかったんです!」と即答した。

「本当?あげるよ、うちにあっていらないから困ってんだ」

「ああ、でも、わたし小さいチャリしか乗れないんですよ…」

「小さいやつだよ、Aちゃんのみたいな。君でも乗れるよ。明日店に持ってくるから取りに来て」

 

やったー!!!嬉しくて小躍りしそうになった。

聞くと、職業柄、色んな人から色んなものを貰うらしく、引き取り手に困っていたらしい。

しかし、こんなタイミングの良さなどあるだろうか。

一生分の運を使い果たしたような焦りも感じたが、素直に喜ぶことにした。

 

次の日、夕刻に喫茶店を訪れる。

マスターはいつも店先に立って道行く人に挨拶したり散歩中の犬に構ったり歩きタバコの人を注意したりしている。

完全に地域密着型のおじさんだ。

わたしを数メートル先に見つけた瞬間、「おう、来た来た!待ってたぞ」と笑顔で言った。

 

「これなんだけど」

店先に停めていた自転車を見せてくれた。

なんと、サドルがMAXまで上がって、ハンドルもMAXまで上がっている歪なスタイルだった。

驚いてゲラゲラ笑う。

マスターは、してやったり、とニヤニヤしながら「いいだろ〜?」と言っていた。

「そんな高いの乗れないですよ」

「エーッ!?乗れない?仕方ねえな〜、赤ちゃんサイズにしてやるか〜」

マスターはサドルとハンドルを一番下に下げながら、小芝居の成功に満足そうにしていた。

この爺さんは、本当にふざけるのが大好きなのだ。

 

そして、確かに小さいチャリ!そして綺麗、なんと折り畳みも出来る。

こんなに良いものをタダで貰っていいのか…と再三思ったが、持ってけ!と言われるので感謝した。

 

「防犯登録ちゃんとしてね」

「警察署とか行くんですか?」

「いや、自転車屋で出来るよ。そこの自転車屋に行って、喫茶店のおじさんに貰いました、って言って登録してもらってこい」

「わかりました、今行ってきます」

 

茶店のテーブル席には休憩中のお巡りさんが数人いた。

マスターとわたしのやり取りを笑いながら見ている。

 

「サドルの高さ、大丈夫か?」

「漕いでみます、よいしょ」

 

マスターと警察官数人に見守られながら、二度目の自転車走行。また少しよろける。

「お、おい大丈夫かよ」

「いけます、大丈夫です」

 

スイ〜〜…漕げた。目と鼻の先にある自転車屋を目指し、走る。

後ろから、「おせえ〜〜」と聞こえるが気にしない。

 

完全に自意識過剰だが、自転車に乗った自分にいつまでも慣れなくて、漕ぎながらひとりほくそ笑んでいる。おもろいのだ。

わたしと会ったことがある人はわたしが自転車に乗っているところを想像してみてほしい。

しばらくの間は笑みがこぼれて仕方なかったが最近は慣れてきた。

真顔で漕げるようになった。

 

それからは自転車に乗るのが楽しすぎて、あえてまわり道をしたりするようになった。

スーパーへ向かうために自転車へ乗っているというよりは、自転車に乗るためにスーパーへ行っているようなところがある。

 

先日も、雨が降っているにも関わらずたまらず自転車に乗りたくなり、青梅街道を爆走した。翌日体調が悪くなった。

深夜に「MATSURI STUDIO」と書かれたTシャツを着て自転車を漕ぎまくっている女がいたらわたしだと思ってそっとしておいてほしい。

「爆走」とは言ってもあくまで主観なので、余裕で競歩に負ける速度で漕いでいる。しかし、気持ち的には「爆走」なのだ。

 

おっそくてちいせえチャリで色んなところへ出かけようと思う。

茶店の爺さん、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試してみるって約束だべ?

赤提灯に誘われて寂れた居酒屋にいる。

瓶ビール瞬殺して二本目、手酌が好きだ。次はキンミヤを飲もう。

 

最近突然胃が痛くなる。

感覚的に、去年胃潰瘍をやった時の痛みに似ている。シクシク痛い。

内視鏡検査が痛くて、止めることが出来ない生理的な涙を流したあと、情けなくて寂しくて流した感情的な涙を流したことを、昨日のことのように覚えている。

ずっと病気だ。

 

声が小さいとよく言われる。

心の声は馬鹿にでかいのに。

 

わたし、人とうまく話せないんです。

お酒を飲んでやっと、普通に話せるんです。

でも、わたしの田舎では、女が酒を飲むのもだらしないって言われます。

どうして?って言っても、誰も説明できないのです。

そんな不条理はやめにしませんか。

お酒を飲んで何年経つだろう?

わたしは若い頃に死に切れなかったんです。

それからはがむしゃらに生きてます。

いつもエロいことばっか考えています。

性とか愛とか、しがみつくしかないのでしょうか?

 

孤独ではなく孤高と思い込むことで生きている、思い込んでいる、25歳の溜息。

わたしも年を取ったものだ。

 

咲いても、喜びすぎないから

茶店で斜向かいの席に知り合いが座ってきたので、テーブルに生けてある百合の花で顔を隠している。世間は狭く、百合は強く香っている。

 

週に一回、ネットプリントに文章をアップロードすることにした。

100%のエッセイを読み切り方式で書いている。

普段自分ことをあまり人に話さないので、膿を出すように、物凄くすらすらと言葉が出てくる。

あまりにも明け透けに書いたので、「秘密の日記を盗み読んでいる気分になる」と言われた。それでいい。

わたしの周りの人は、わたしが文学フリマに出たり文章を書いたりしていることを知らない。

家族はわたしが東京で何をして暮らしているのかさえも知らない。でもそれでいい。兄達だけは立派に、優秀に育った。それで十分だと思う。

 

一年前に、出版社で働いてる人と飲んでいて、酔った勢いでつい、文学フリマに出ようと思っています、と溢した。

その人もひどくベロベロになっていたので、明日にはどうせ覚えてないと思うし、話半分に聞いてくれればいいと思った。

その時は全く別のことを書こうと思っていて、何気なくその事を話したら、「どうして?あなた自身のことを書きなさい」と強い眼差しで言われた。

 

「あなたがきっと今感じてる生きづらさとか感じやすさとか、そういうことを書きなさい、絶対にその方がいい」

 

絶句した。生きづらいとも感じやすいとも打ち明けたことはなかった。

でもそれは確かなことだった。

気づいたら涙がボロボロと流れていた。

 

「ほら、そうなんでしょ。あなたならきっと出来るから一生懸命書きなさい、書くことをやめちゃだめだよ」と言われてもっと泣いた。

 

いつになっても、この時のことをずっと覚えていると思う。

 

 

文学を専攻していた大学時代、授業で教授が「茉莉なんて名前はね、その時代としてはとんでもないDQNネームだったんですよ」と言っていた。

わたしもマリという名前でよかった。

 

f:id:bokunotenshi_66:20180603205255j:image