うわごと

僕のマリ

わたしを離さないで

脳がとっ散らかっているので、酒を飲みながらNetflixのドラマを流し見、スマホのゲームをやりつつ、思い出したようにYouTubeで音楽を聴くという、めちゃくちゃ生き急いだ人のライフスタイルを送っている。そんでまあ、まだ飲んでるのを忘れて、新しいチューハイ持ってバスタブの中でポメラで原稿とか書き始めるので酷いものだ。子供の頃は、この性質のせいで集団からひどくあぶれてしまったが(多分いまもそうなのだけど)、色んなことに気づくまでは自分の世界はとても楽しくて、一人でも最高と常に思っていた。

 

毎年この季節になると思い出すのは、無職になって何もかも放ったらかして日本中を旅していたこと。思いつきで飛行機やバスに乗って、何泊かも決めずにあてもなく歩き、道に迷い、知らない街の知らない景色をずっと目に焼き付けて、私は大丈夫、自由、何でも出来る、何も出来ない、と鴨川で泣いた。

 

今が強いというわけでもないけれど、若い頃は本当に脆かった。手にとったらほろほろと崩れるクッキーのような心で、常になにかに怯え、人の評価ばかり気にしてはSNSの言葉に揺らぎ、他人を妬む気持ちばかりが募った。自分と同じくらい人のことが許せずに、無闇に傷ついたり、傷つけあったりしていたように思う。

 

「変わった」とよく言われるし、自分でもそう思う。「よく笑うようになったよ」という言葉ひとつでこの数年のことを思い出して泣けるし、「いつかふっと死んじゃうと思ってた」なんて言わせたことを思い出しても涙が滲む。

わたしは今も恥ずかしいくらいナイーブで、すぐに痩せこけたり眠れなくなったりする。煙草も酒もやめる気ないし、相変わらず堕落しためちゃくちゃな生活だが、やりたいことで溢れてる。身体が足りない。

 

「同年代の女性が求めているような幸せは特に望んでいなくて」

 

今の環境って幸せで、毎日楽しい。でも、もっと加速したい、この静かな行為がずっと好きだったろう、狂ってもやれる、わたしにしか出来ない、そんな思いで頭がはじけそうになる。

 

少し落ち着くか、と桃の缶チューハイを飲みながら散歩をする。大好きな季節になった。