うわごと

僕のマリ

あなたのために蝶になって

パジャマのズボンをアイスクリームのチョコで汚してしまった。このところはパジャマを汚してばかりいる。この前は血だし、その前は肉汁だった。そのたびに洗って、替えて、を繰り返す。そういえば、まあまあ大人になるまで、バスタオルは身体だけを拭くもので、フェイスタオルは髪の毛を乾かすものだと思っていた。でも、多くの人がバスタオルで全て拭いていると知った時は衝撃だった。たまにその方法で全身を乾かしてみるんだけど、ちょっと変な気持ちになる。

 

最近は栗原康著『村に火をつけ、白痴になれ』を読んだのが大きな収穫だった。伊藤野枝という作家・アナキストの波瀾万丈どころかはちゃめちゃな人生を描いた作品なのだが、同郷であるのが誇りに思うほど(私にとっては)、生き様がかっこいい。筆一本で戦って、好きな男と好きなだけセックスをして、最終的には殺されてしまうけど、彼女の人生に悔いなどあっただろうか、と思う。言いたいことを言う、好きなことをやる、伊藤野枝の信念は強かった。ひとつになっても、ひとつになれないよ。

 

ここ二、三年でフェミニズム関連の本を読むことも増えていて、今はチョ・ナムジュ著『彼女の名前は』という短編集を読んでいる。『20ねんはたらきました』という国会清掃員の話を読んでいてふと、会社にいた頃を思い出した。朝早く出勤した日、トイレで清掃のおばさんに挨拶をしたら、その人が目を潤ませながら「私みたいな掃除のおばさんにも挨拶してくれるなんて」と言ってきたことがあった。自分の母親より年上に見えた。今までどんな思いで働いてきたのだろうと思い、胸が詰まった。

 

このところは酒量が減って、夜は温かいお茶を飲んでいる。でも、たまに嫌なことがあったら、キンミヤのお湯割りに梅こんぶを入れて啜ってる。この前気分が塞いでいたので、普段あんまり行かない映画館に出向き『バッファロー'66』を観た。DVD持ってるけど、何度も観たけど、映画館で観たかった。ヴィンセント・ギャロの姿勢の悪さとか、クリスティーナ・リッチのアンニュイな眼差しとか、短過ぎるワンピースとか。外で飲むホットチョコレートは美味しかった。春がすぐそこまできている。