いかれた慕情

僕の天使マリ

ネオ・トーキョー

 

散々無理して元気に取り繕う意味もないと今更気付く。

 

酒を飲みながらする仕事で、服のブランドなんか知らない私が男に「それってユニクロですか?」と聞くと「マリ、悪いが俺はアルマーニしか着ないんだよ」とばつが悪そうに言われる。本当か嘘かは分からない。アルマーニしか着ない男に「僕のマリー」という曲を知ってるか、と聞かれる。知らない、知った方がいいよ、じゃあ検索してみます。

「甘く悲しい夢をみた 夢をみた」という歌詞だった。「夢」という言葉が好きなのでなんとなく気にいる。

 

真夜中に仕事が終わって、高架下にいるゴツゴツした優しい男の人におなか空いたでしょう、お疲れ様、と言われて出されたメキシコ風モツ煮が美味しかった。

ライムを絞って食べてね、と言われて緑色の柑橘をチュッと絞って少し高いカウンターで黙々と食べた。黄色いたまごが絵本みたいで、気が抜けて子どもの気持ちになった。豆が入っている。給食で食べたチリコンカンみたいだ。

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店内はレコードがずっと流れていて無音のAKIRAのアニメが映されている。

「ネオ東京」である2019年はもう来年なのだ。もうすぐで世界が終わる。ああ、AKIRA

午前3時、銀のスプーンを片手にしばらくぼけっと世紀末を眺めて、帰って冷たい水を飲んだらカラスが鳴いていてもう朝だった。