いかれた慕情

僕の天使マリ

青に溶ける

 

夜勤明け、妙に目が冴えたまま歩いて帰ってきた。青白い顔。口角炎が痛い。

もう10年以上前、よく明け方に家を出て音楽を聴きながらあてもなく歩いていた。特に意味はないが、昔から、そうしたいと思ったら我慢できないタイプだった。気分や雰囲気につられて生きていた。

まぶしい太陽に照らされながら歩く。

「昨日の続きの今日は誰も知らないから」

という歌詞が大好きでJUDY AND MARYのステキなうたをよく聴いていた。歌詞はこう続く。

「我慢なんてできないわ、わかるでしょう?」

 

 

小学校の前に大型バスが何台も停まっている。この時期に遠足だろうか?

今はバスの座席ってどうやって決めているんだろう。誰も悲しい思いをせずに、二人ずつのこの座席に収まるのだろうか。学校って、こういうところで孤独に身をつまされたりするんよなあ、と思考が巡る。

アウトサイダーな人生ゆえに捻くれている。

 

青い喫茶店に入ろうか迷ったけど、パン屋でパンを買って帰ることにした。

近所の八百屋がもう空いている。大声で生姜の話をしている。

かわいい柴犬を飼っている家の前を通ると柴犬が門の前にいたので少し撫でる。

震えていたので「寒い?寒いよね」とボソボソ話しかけてしまった。

黒々とした鼻がきゅんと濡れて冷たい。

 

熱いシャワーを浴びて音楽を聴いて濃いめのコーヒーを飲みながらパンをかじってウトウトしているうち、昨日見た夢を思い出した。

博多駅で東京の人たちに渡すお土産を選んでいる夢だった。ふるさとの電車の水色、きっと私は帰りたい。