いかれた慕情

僕の天使マリ

酒に浸かる

 

ほとんどお遊びだが、バーテンのバイトの時、とてもダンディなおじ様にウィスキーを1本入れてもらった。「そのボトル開けられる?なかなか難しいんだよ、コツがいる」と言われたので、私はニヤッと笑ってメーカーズ・マークの蝋で出来た蓋を一発で開けた。おじ様はえらく機嫌が良くなり、「マリちゃんも飲みなよ」と勧めたあと、「ところで君は酒が飲める年なの?」と聞いてきた。

店の照明が暗くて良かった。酒を飲み続けて何年目だろうか。

 

私が子供の頃は自販機で酒もタバコも買えた時代だった。不良とかヤンキーとかそういうわけでもなかったが、田舎はとにかく娯楽が無い。

とにかく、酒を飲んだ時の多幸感が好きだった。

九州の血か、かなりの酒好きだ。何杯か飲んで身体が火照るのを感じ、毎回期待しながら鏡を見に行くが顔色は全く変わらない。大人になって盃を交わした兄に「一番タチ悪いやろ」と真っ赤な顔で言われた。

 

老夫婦がやってるボロい赤提灯の店に突入するのが割と好きだ。

会社員の頃、職場の近くの飲み屋へ初めて行った時、90歳近くのおじいさんの隣になって、すでに出来上がっていたのか「彼女のぶんは全部俺が払う」と言って奢ってくれた覚えがある。

ただ、お爺さんゆえ耳が遠いので普段声が小さい私は頑張って物凄くでかい声で話さなくてはならなかったが、第二次世界大戦の時の話をしてくれて、これがまた酒の肴になった。「もう戦争はしちゃいかんぞ」と熱弁される。耳が遠過ぎて私の質問は全部無視されて、めちゃくちゃ一方的に話されたものの、19時半くらいには「寝る時間だ」と言って帰って行った。傍若無人だがお年寄りは大体こんなものだろう。

 

五月に大阪のミナミで飲んだのがえらく楽しかったので、また余暇が出来たら行きたい。

今週末には大好きなお姉さんが大阪からやってくる。ようこそトーキョー!