いかれた慕情

僕の天使マリ

仕事を辞めてから

4月いっぱいで丸2年正社員だった仕事を辞めた。

せっかく受かった大手企業だったのに、とか、資格も何も無くてこれからどうするの?とか、誰にも何も言われたくなくて、ひっそりと辞めた。

私は何か決断をする時、絶対に一人で悩み抜きたい性格だった。

 

最後の出勤日、たくさんの手紙や贈り物、職場に置いていた私物を必死の思いで持ち帰り深夜に家に着き、痛くて嫌いだったハイヒールを脱ぎ捨てた瞬間、ああ、自由だ、と思った。ストッキングも全部捨てた。

 

有給休暇となってから完全に躁状態になって、ほとんど東京にいなかった。ロクに休みの無かった2年を取り戻したくて、どこか遠くへ行きたかった。

地元でのんびりしたり(休みが取れたと嘘をついた)、母方の実家へ行ってダックスフンドの世話をしたり、すっかりボケたおばあちゃんとふざけたり、10年ぶりに従兄弟と会ったり、九州からそのまま台湾行っちゃおうと思ったらパスポートを東京に忘れて、思い付きで関西に行ったり、北陸に行ったりした。色んな人が色んなものを見せてくれた。いつまでも居ていいよと家に泊めてもらったり、友達の友達とお酒を飲んだりした。

天神でひたすら酒を飲んだり、桜島を見たり、新世界で食い倒れしたり、京都のジリジリした日差しを浴びたり、金沢の美しい兼六園を見た。

飛行機も新幹線も夜行バスも知らない街の知らない電車も乗った。

何週間も漂って、心も身体もクタクタになった。

 

夜の鴨川でひとり、缶ビールを飲み酩酊しながらあてもなく歩いていた時、イヤホンから流れてきたzazen boys の「何で俺はこんなところでこんな事してる、いつまで経ってもやめられないのね」という歌詞に涙したりもした。

 

そして東京に戻った。

不思議な縁があって、好きな事で色々仕事をもらえている。いい出会いもたくさんあった。

人生どうにでもなったし私には捨てるものもないから何も怖くなくなった。

理不尽なつらい事なんて何一つやらないと決めた。我慢が美徳とは限らない、それで生きていけないなら死ねばいい。

やりたい事だけやろうと決めた。