うわごと

僕のマリ

振り返らないで、走って

滝口悠生『ラーメンカレー』という小説を毎日少しずつ読み進めている。『長い一日』という小説がすごく面白くて、あの重たい本を持ち歩いてまで読んで以来ハマっている。新刊を出したけどまた次の新刊に向けてずっと書いていて、だからやることは多いけど、…

悪い夢のように時がなぜてゆく

真冬も真夏も42度のお風呂に入っている。一時間くらい出たり入ったりを繰り返して、お風呂にベランダが欲しい、と思う。今は脱衣所で水をごくごく飲んで、デトックスしたぞいと得意になりつつも、冷凍庫のなかのアイスは何があったか考えてもいる。 シャトレ…

もぐもぐ日記

「普段何考えてるんですか?」 そう聞かれて、うーんと悩み、 「食べ物のことかな……」と返答した。 質問してきたのが年下の男の子だったので、つい気が緩み素直に答えてしまった。事実、朝起きてから夜寝るまで、頭のなかのほとんどを食べ物のことが占めてい…

花粉症も眼鏡キャラも

夜中、外で猫が壮絶な喧嘩をしていて起きた。とにかくすごい鳴き声で、結構びっくりした。朝の8時に目が覚め、洗濯物を干す。今日はタオルの日。干した後もう一回横になってみたら、眠ってしまった。 退職してからというものの、眠ってばかりいる。夜中の2時…

九月十四日

夏が終わった。9月になった途端きっちり涼しくなり、ゲームの世界のようだと思う。 今日はいつも通り出勤。朝刊に「藤井聡太 三冠」という見出しが。将棋は今ひとつわからないけれど、すごい。朝イチで、文筆家のIさんがご来店。モーニングのサラダを山盛り…

まばたきしてる間に

冷たい足を温めながらハーブティーを飲んでいる。なんとなく日記を書く。 今日はいつも通り7時半に起き、出勤。マスターの妻と一緒にモーニングの時間帯を捌いた。トーストにバターを滑らせているときの匂いはお腹がすく。あまじょっぱくて美味しい。朝から…

遊んでたらできちゃった

ノースリーブすべすべ、古着のスカートずるずる。黒髪ロング、パーマかけましてん。私と会ってない人は髪の伸び方にびっくりするだろう。30歳まで伸ばそうと思っています。 最近読んだ面白かった本は滝口悠生『長い一日』、蛭田亜紗子『共謀小説家』、山﨑ナ…

もう一度何かやれるような

冷蔵庫の中でアイスコーヒーが倒れ、黒い海が広がるのを呆然と見ていた。午後四時半、外は雨。都議選の期日前投票に行って帰ってきた。なんだか今日はぼんやりしていた。 心配事が多い。何もかも心配だから、先日は占いにも行ったのかもしれない。お腹の中に…

あたしなんかに振り向かずに輝いていて

カモミールとカンパニュラとガーベラを飾っている。芍薬はとっくに爆発して、かすみ草は枯れた。朝、職場に行く道すがら近所のジャスミンのにおいを嗅ぐ。小さな儀式のようだと思っている。 朝5時半に通知の音で目覚めて、10年前に好きだった人とLINEで繋が…

あてずっぽに路地を手繰って

土曜日の夜の新宿駅にいる。3番線のドアが閉まる。この一週間は色々あったなと思う。本屋lighthouse幕張支店まで往復3時間かけて行き、友達の門出や誕生日を祝福して、zoomで打ち合わせをして、原稿を書いて提出して、喫茶店でコーヒーを淹れて、前髪を切っ…

あなたのために蝶になって

パジャマのズボンをアイスクリームのチョコで汚してしまった。このところはパジャマを汚してばかりいる。この前は血だし、その前は肉汁だった。そのたびに洗って、替えて、を繰り返す。そういえば、まあまあ大人になるまで、バスタオルは身体だけを拭くもの…

自分の夢は現実だよ

年の瀬だ。この頃はいつにも増してぼんやりすることが多く、今この瞬間も電車を間違えて途方に暮れている。大井町を目指しているのに池袋に着いてグッタリ。この間は横浜から新宿に行こうとして鎌倉にたどり着いた。泣くかと思った。 今年は引っ越したり、連…

なくなりそうな君が好きさ

こそこそ煙草を吸っても、怒られるときは怒られる。一人で決められた場所で吸うだけなんだから、割と地味でストイックな趣味なんやないのと反論したくなる。28歳になったが、相変わらず喫茶店や酒場に繰り出すのが好きで、それ以外のことはそんなに好きじゃ…

ゆうちゃんへ

ぴかぴかの真夏、兄に娘が生まれた。この兄というのは5歳年上の次兄のことだ。冠婚葬祭のときしか動かない我が家のグループLINEが、ひっきりなしに通知を飛ばしている。「何グラム?」「立ち会ったん?」「名前は?」という両親の質問攻めに、絵文字をつける…

僕の呪文も効かなかった

休みは自分で掴み取るしかないので、スケジュール調整には余念がない。普段ちょっと無理してでも日曜日は休みたいしボケーっとしたい。 昨日は昼過ぎから喫茶店に行き、帰りしなにスーパーで買い物をした。中延の商店街にある喫茶店は繁盛していた。日記集の…

わたしを離さないで

脳がとっ散らかっているので、酒を飲みながらNetflixのドラマを流し見、スマホのゲームをやりつつ、思い出したようにYouTubeで音楽を聴くという、めちゃくちゃ生き急いだ人のライフスタイルを送っている。そんでまあ、まだ飲んでるのを忘れて、新しいチュー…

フィードバックは果てしなく続く

もう八年くらい共に過ごしているオラフのぬいぐるみの尻を揉みしだくことでストレスを発散している。オラフには済まないが、なんか落ち着くので、真顔でずっと揉んでいる。 ちなみに、オラフというのは『アナ雪』に出てくる雪だるまみたいなアレではなく、『…

どんなときも完璧で誰からも愛されて

鹿児島に住む従姉妹に電話した。 12人いるいとこのなかで一番仲が良くて、幼い頃はよく一緒に遊んだものだ。わたしより9歳年上の彼女は、数年前夫の浮気がきっかけで離婚して、いまは20歳年上の男性と再婚して、事務の仕事をして暮らしているらしい。 普段は…

それさえも色褪せていくと思ったら負け

いままで使ってなかったAppleMusicになんとなく手を出してみたらその便利さに気づき、先週から色々と懐かしい音楽を掘り出している。ずっとiPodclassicを使っていたのだが、そういえばみんな化石を見るような目で見ていたなと独り言つ。使っているiPhoneもい…

卑屈になんかならんでもいいのさ

肩こりと腰痛が酷く、マッサージや整体によく行くのだけど、気持ち良くても結局はその場しのぎでしかないので、やはり運動をするしかないと痛感している。夏はプールに通っていたが、冬となると着替えが面倒なので足が遠のく。 色んなマッサージ屋、整体を練…

永遠が欲しくって少し泣いてみた

ここはファミリーレストラン。かれこれ20分、料理がくるのを待っている。注文したのは、野菜がたくさん入ったスープと、チキン。安い赤ワインが空腹にしみる。プラスチックでできたグラス越しに店内を眺める。斜視乱視。店員は皆やる気がなく、しかしそれを…

愛とはなんだかわかりません

年配の夫婦が営む古ぼけた喫茶店で夕飯をとる。おじいさんのほうは柔和で、おばあさんのほうは一見きついが、決してやさしくない訳ではない。寒くてかじかんだ手をさすりながら、「すばる」2月号に掲載されていた小山内恵美子『花子と桃子』を読む。とにか…

悩んでなんかないわよね

「どこへ行ったの どうして泣くの 夢は叶えるものよ」 人生に絶望していたときにスーパーカーの「DRIVE」を聴いて、杉並のアパートで号泣したことがある。夢だの希望だの愛だの、そういう平凡な言葉はどうでもよかったし、聞き飽きていたはずなのに、なぜか…

思い出になんてなんないで

文学フリマ東京が終わった。昨年の春に出店するまで存在すら知らなかった文学フリマが、いまやわたしの人生の一大イベントとなっている。本を愛し、本を書きたい人たちの慈しみ。書き手と読み手が運命のような出会いを果たす、夢が詰まったイベントだ。 いつ…

好きだけど愛せやしない

真夏でも氷のようにつめたい手足が、いま、感覚を失っている。熱い湯を沸かしながら部屋のオレンジの光をつけて、何度も何度も聴いたギターの音をなぞる。入浴剤はラベンダーがいい。淡いむらさきの色が好きだから。 私小説『いかれた慕情』を出してから一年…

いつか動かなくなる時まで遊んでね

9月1日日曜日、晴れ。早起きしていつもより少し丁寧に身支度をして電車に乗る。井の頭線、小田急線ともに久々だ。長いスカートを踏んづけそうになりながら乗り換えて、着いたのは世田谷代田。初めて降りる駅だ。降り立つとほぼ閑静な住宅街で、鎌倉通りを…

汚れたせっかくの一張羅

群馬県前橋市にある「世界の名犬牧場」へ。犬が好き過ぎて、定期的に犬に触れないとおかしくなりそうなのだ。 伊香保温泉に宿を取り、温泉を満喫して、電車とバスを乗り継ぎ名犬牧場へ向かった。 交通の便に関しては車が断然おすすめだが、わたしは免許を持…

きみはぼくのまぼろしだった

土曜日の夜、なんだかなあと思いながらぼんやり過ごしていたらリノちゃんから猛烈にLINEがきていた。 彼女は週末に大阪から東京に遊びにきていて、わたしたちが遊ぶ約束をしているのは月曜日のはずだったが。 「いまからお茶せえへん?」との誘いに二つ返事…

嫌われても好き

お世話になっている女性が入院しているので、お見舞いに行くことにした。朝はやく家を出て、鍵を閉めてから手土産を忘れたことに気づく。電車からバスに乗り換える。降りる改札がわからなくて当てずっぽうに出たら反対側で、慌ててバス停があるほうの改札を…

踊り続けるなら

あんまり喜びすぎないようにしよう、っていつも思っていた。わたしは子供の頃から遅れていた。人並みに出来ることが、何一つなかった。普通にすることができなかった。だから、みんなが出来て当たり前のことを喜んだところで、虚しいだけだと、あるとき気づ…