うわごと

僕のマリ

幸せなんてただの非日常よ!

今朝西友で買い物していたら卵のパックを落としてしまって辛かった。

落としてからしばし呆然としていたら親切なおばさん×3人くらいが店員さんを呼んできてくれて、おばさんの店員さんが来て我に返って「買い取ります!」って言ったけど「大丈夫です」と言われて床に広がる黄身を見て悲しくなった。本当に申し訳なかった。

昨日までは夢の国にいてミニーちゃんの耳とかつけていたので落差が激しい。

いや、釈明すると本当は耳とか着けない予定だったけど、連れていた子供に買ったものの子供ゆえ頭が小さ過ぎてカチューシャはすぐ取れてしまうという事で子供のはキャップにして、仕方ないので私がカチューシャを着けたのであった。

昨日は姪、正確には従姪の誕生日祝いでディズニーランドへ。

 

前日にディズニーランドのホテルに泊まった。夕飯を食べて、ホテルでも探検するかいと誘ってグルグルした。

撮ろうと言われたのでホテルのプリクラを撮ったが、画質が2018年とは思えないクオリティでめちゃくちゃ懐かしかった。子供の頃ボーリング場で撮ったプリクラのようだ。とにかく粗い。

お菓子でも買ってあげようと思って売店に行ったらビール売り場の扉を開けて「マリちゃんどれにすっと?」と聞いてきた。出来る姪だ。

ビールとお菓子とジュースを買って、部屋に戻ったらいい時間だったのでお風呂に入りなさいと促した。

泡風呂のキットを買ったのでそれを入れて遊んできなと見送ってベランダでタバコを吸っていたら十分足らずで素っ裸でバスルームから飛び出して来て、驚いて「ちゃんと洗ったと?」と聞いたら「もうおふろの泡が無くなる、マリちゃんも泡で遊びたかろうと思って…」と屈託の無い笑顔で言ってきた。

9歳でこんな人間出来た子がおるかね…という親バカ的なものを感じながら温度設定をミスったぬるいお風呂に浸かった。泡はもう消えていた。

 

ビールとジュースで乾杯してでかいベッドの上でゴロゴロしながら姪の質問攻めに遭って「なんで一人で暮らしとると?」「寂しくなか?」「夜は怖かろ」「足の傷どげんしたと」「彼氏はおる?」「何人兄弟?」「ディズニーランド来たことある?」「マックとモスどっちが好き?」「二重跳び何回出来ると?」「誰とメールしとらす?」etc…

 

預けておきながら前情報が殆ど無かったので何時に寝かせるか悩んだものの興奮してなかなか寝ないので22時ごろに部屋の照明を無理矢理全部落としたらやっと寝た。

 

夜のホテルのロビーでぼーっとしてチェックインするカップルとか中国人の家族とかWi-Fiを利用して通話する人とかを眺めていてそれぞれの人生に思いを馳せそうになりながら部屋に戻って自分も寝た。

 

翌朝は6時起きだった。

普段完全に夜型なので勘弁してくれよと思ったもののアラームが鳴って30秒くらいでベッドから抜け出す快挙を成し遂げた。今年、最初で最後の6時起きだったと思う。

起きて支度をしてベランダに出て海を眺めていたら気持ちよかった。

 

姪はひっつき虫なのでどこまでもついてきてスリ…と身を寄せてくる。かわいい。

 

朝食を食べてなんかミッキーの電車に乗ってディズニーランドへ。激混み。

薄々気づいてはいたものの、春休みで混雑ランキングS。

姪の小学校は全校生徒100人もいない。こんな人混みを見るのは初めてらしい。

 

死人が出るのではと思うほどの人混みを掻き分けてファストパスとったりアトラクションに並んだり。

子連れなので240分待ちとかはさすがに無理。4時間って。

一番乗りたかったビッグサンダーマウンテンには頑張って2時間半くらい並んで乗った。はっきり言ってかなり限界であった。

本当は絶叫系無理だけど頑張った。今年一番頑張った。

めちゃくちゃ喜んでいたので良かった。

姪は「じいじが送ってくれた…」と言って付箋を貼りまくったディズニーランドのガイドブックを熟読していたので、要所要所で「ここ本で読んだったい!」と嬉しそうに声を上げていた。

 

あっという間に日が暮れて夕方頃になり、帰りの時間もあるので「あとこれとこれに乗って、お土産買って帰るよ」という話をしたのだが、前述通り大混雑で、乗りたかった乗り物全部に乗ることは出来ず、断腸の想いでそれを伝えたところ、姪は俯いて泣き出してしまった。プーさんのハニーハント、夕陽と蜂蜜の香りに包まれて、ついぞ泣いてしまった。

なんて言ったらいいだろう。子供特有の、あの駄々をこねてワーッと泣くのではなくて、黙って、俯いて、さめざめと泣いていた。

小さな頭をシュンと垂らして涙を流しているので、その姿がいじらしくてかわいそうで、泣くなとも言えず、「ごめんよお、楽しみやったばってんが、こげん混んどらすけん全部は無理やった、また夏休みにでも来ようよ、今度はシーにも連れてってあげる、そん時はもっと乗れる…」と言っているうちに私も遣る瀬無くてエグエグと泣いてしまった。少し。

 

涙を拭いてポップコーンを食べさせたらだんだん納得したのかそのうちに機嫌も直って、ニコニコしていた。よかった。

パレード、別に興味なかったけど凄かった。死ぬ気でおんぶして見せてやったけど私は背が低いのでさほど目線は変わらなかったと思う。それにしても筋肉痛が凄い。

 

わざわざリスト化していたお土産メモを持ってお土産選びに付き合って(さすが社長令嬢、三万弱使っていた)、ディズニーランドを後にした。

 

帰りの中央線でぐったりしながら、データフォルダに残るiPhoneのカメラを向けた時の、屈託の無い笑顔でピースをする姪の半生を考えていたらまた泣けてきた。お誕生日おめでとう!

 

 

 

 

 

頼りない天使

私は前世で纏足された囚われの身の中国の女だったんだと思う。

靴屋で「この靴の一番小さいのをください」と言うたびにうんざりする。足が小さ過ぎて絶妙に面白い感じになっている。

 

電車に乗っていたらお爺さんとその孫と隣り合わせて、その子供が自販機で買ったであろうコーンスープをおいしそうに飲んでたら電車の揺れでこぼれてしまって(そうなると思ってたよ)着ていたダウンがコーンスープでビシャビシャになった。

総武線津田沼行き、おいしそうな香り。

お爺さんが慌てふためきながらティッシュを探している間、子供は「あーあ、まあ脱げばいっか」と言って黒っぽい冬を脱いだ。

可愛いなあと思ってカバンの中で少しくちゃくちゃになっていたティッシュをあげて高円寺で降りた。

 

明後日、親戚の子供とディズニーランドへ行くというミッションを控えている。

多分東京(千葉だけど)へ来るの自体初めてだろう。こんなでかい遊園地も。我らがスペースワールドは閉園してしまったし。

いつか忘れてしまうかもしれないけど良い思い出にしてあげたい。

私はあまりちゃんとした大人ではないけれど頑張るよ。

 

 

最近何故か子供の頃のことを唐突に思い出したりする。

家の玄関の鍵を締めるガッチャンという音、主婦向けのワイドショー、いわさきちひろのイラストの描かれた絵本、たくさんある兄の漫画、弾き始めの電子ピアノ、全クリできないマリオワールド、母の鏡台を開けるとびっしり詰まっているシャネル、新聞の人生相談、(多分寂しくて)ボキボキ降りまくっていたクレパス、チェック柄の日記帳、アレルギーで全然触れないハムスター、どんぐり、鍵盤ハーモニカ、気合いを入れて絵を描くときの水彩絵の具の小さいバケツの黄色、 臍の緒が入っている箪笥、夏の豪雨、隣の家の茶色い犬。

 

昨日酔っ払って近所を散歩していたら突然どうしようもない気持ちになった。

 

ああ来てしまった、まだ見ぬ誰かに慕情する春。

 

 

 

 

他人から見れば些細な話を

昔から気に入った本を何度も読むタイプだった。

前の職場で仲が良かったギャルが旦那の転勤で友達も家族もいない宮崎へ行くことになって、「向こう行ったら退屈だろうな。本読むのって暇つぶしになる?わたし本とか読まないんだけどオススメあったら教えてよ」と言われて、こだまさんの「夫のちんぽが入らない」を教えた。

私たちは見かけも性格も趣味も誰が見ても正反対なのに、誰が見ても本当に仲が良かった。出勤してお互いの顔を見るだけでどちらともなくニタっと笑って、社食でのお喋りは尽きず、不埒なジョークで大笑いした。

彼女が転勤してしばらく経ってから、「久しぶり、元気?『夫のちんぽ』、買ったんだけど本当に面白かった。一気に読んだし泣いちゃったよ。読んで良かった、教えてくれてありがとう」というメッセージが届いた。

 

あれから一年以上経ったいま、あの寂しがり屋のギャルに、こだまさんの「ここは、おしまいの地」を再びおすすめしたい。

 

 

私は誰に向けるわけでもなく、自分に向けたブログを書いている。書く事でどんどん内省的に物事を考えることが出来る。辛気臭い文章かと思ったら、辛気臭いわたしの人生だった。

 

言葉は呪いだ。言葉にすると全部が本当になりそうで怖い。世界から突き放されそうになる。

 

私はあまり人付き合いが上手くない。夜一人で冷えたベットに入って「どうしてあの時あんなことを言ってしまったんだろう」と思っては内臓のあたりがシクシクする。現実で上手く推敲出来なくて後悔する。四半世紀生きてきてこのザマだ。

それでも、どんな気持ちでも言葉にすれば成仏するのではないかと一縷の望みを持って書き続けている。

 

 

話を本に戻す。本文中の「すべてを知ったあとでも」の末文で、こだまさんが家族に黙って書いていることに対しての想いを綴っている。

 

「けれど、お母さん、私はだいぶ前から書くことに夢中になってしまっている。ただの捌け口で、自分の慰みでしかなかった場所が、いまは私を支えるものになっている。」

 

もう有名になり過ぎているし、家族にバレているかもしれない、やめろと言われるかもしれない、でも書くことは諦められない、そんな葛藤が素直に書かれていて少し泣いてしまった。

そうだ、素直。こだまさんの文章は素直。御涙頂戴でも不幸自慢でもない。

書くことで救われる人も、それを読むことで救われる人もいる。

 

あとは無印良品の話。

こだまさんの母がお見舞いに来て「無印良品のパンツ」を頼まれるも、「無印良品」をそもそも知らなくて、病院の購買で「無地のグンゼのパンツ」を買ってきてお婆さん達に笑われて肩を落とすシーン。

以前インナー業界にいたのでこれは死ぬほど分かる。件のギャルともインナー業界で知り合った。だからよく分かってくれると思う。お年寄りや田舎の人にとって「下着」=「グンゼ」なのだ。袋に入って二枚組とかでスーパーの二階で売ってるやつ。

そして、グンゼのパンツは履きやすさ重視なのでめちゃくちゃでかい。無印良品のパンツのLLサイズくらいで、グンゼのMサイズに追いつけるかどうか。規格とは何か、と思うくらいでかい。

若い人にはピンとこないかもしれないけれど、大人用オムツを履いてるような存在感。

 

グンゼの大きなパンツとレシートを握り締め、再度売店へ向かう母の後ろ姿。その肉付きのよい肩ががっくり下がるのを目にして、私はどっと涙が溢れた。」

 

情景がありありと浮かぶ。下着屋時代に戻って、「よくある事ですよ」と慰めてあげたい。

 

 

 

「川本、またおまえか」では、昔自分をいじめていた川本と大人になってから出会うところ。

川本の最後の一言で全てが浄化されて、やっと呪いが解ける場面。

この一話だけでも誰かに読んでほしい。

私は一時期国語の教師を目指していたんだけど、もし教師になれていたら、教材として使いたいほど好きだ。付箋をして何度も読んでいる。

 

 

ギャル、元気だろうか。相変わらず化粧が濃くて美しくて、大口を開けて笑っているのか。会社に寝坊しても周りにバレないようにカムフラージュしてくれる人はそっちにいるか。遠く離れた南の地へ住む彼女へこの本を贈りたい。読むことも書くことも素晴らしいよと伝えたい。

 

 

お願い私の知らない言葉でしゃべらないで

 寒い。裸足にヒーターを当ててキンミヤのお湯割りを飲んでいる。ささくれた指先にニベアを塗り込んでいたら鼻血が出てきた。生まれてこのかたずっと貧血なのに、貴重な血液をシンクに流した。

今日は帰りしなにカルディに行って初めてコーヒーの試飲をもらったけど甘くて、我慢して飲んだ。我慢して飲むってなんだろう。紅茶が切れたので明日買う。コーヒーも紅茶も無糖がいい。午後の紅茶シリーズは甘くて飲めなかったけど、大学生くらいの時に無糖が出て嬉しくてずっと飲んでいた。

大学生といえば三ヶ月だけ在籍していた幻みたいなバイト先の大学生の子といまだに飲みに行ったりする。仲が良くなったきっかけは私がピクシーズのTシャツを着ていたから。早く夏になってまたTシャツを着たいな。

今年は忙しいけどフジロックは行きたい。去年一人で行って最高だった。新潟でちゃっかり日本酒の試飲したりね。

再来月に鹿児島帰るの楽しみ。生まれは福岡だけど、本籍は鹿児島に置いてある。鹿児島はいつものんびりしてて、火山灰を回収する用のビニール袋がポストに入ってて、訛りはきついんだけど人がみんな大らかで、食べ物がおいしくて味噌汁まで甘い。子供の頃から甘い醤油で育ったからいまだに甘い味付けが好きだ。鹿児島中央駅は駅ビルに観覧車がぶっ刺さっている。指宿のほうは本当に最高。羽田空港から鹿児島空港に着いた時のあまりのこじんまりさに安心する。寒いし、南へ南へ行きたい。

今年はちょっとした文学イベントに登壇するので(本当にちょっとした、家から10分くらい、近い)、訛りを少し矯正しないといけないかもしれない。国語の時間に教科書を順番に一行ずつ朗読した時は全然気にしなかったこと。国語の教科書読みたい。新学期に真っさらな教科書を貰ってその日に全部読んじゃう癖は卒業するまで直らなかった。

 

映画のような我が世界を想えば

ちゃらんぽらんだが、これでも一年前はいわゆる外資系大手企業に勤めていた。期間は丸2年。

在学時に紆余曲折あり、大学四年生にして47単位を残して周りの人間に「この人留年するんだな」とうっすらした同情を引いていたが、恐らく、内定が出たことによって(大学から内定者が出たのが初めての企業だった為)卒業は決定した。

周囲が内定を取り、研修や内定者懇親会に赴いたり免許合宿に行ったりしている間も私はスタジオに篭り、ライブへ行ったり出たりして、ますます憐れみと蔑みの視線を浴びる。馬鹿にされるのも慣れていたし、軌道から外れれば異物として見られるのは自然な事だとは分かっていたので特に気にしなかった。

大学の図書館に足繁く通っては卒論用のナチスドイツについての文献を読み漁って、暗澹とした気分になったりして、割と忙しく過ごした。

 

四年の12月に何気なく応募した企業の選考に行ったら通ったので、就職することにした。特に何の感慨もなかった。

 

内勤希望だったが、外勤となる。社員3000人で同期が50人ほど入ったが、半年と経たないうちに半分が辞職した。研修でわりと定期的に本社で顔を合わせるのだが、会うたびにガリガリに痩せてゆく同期がいて、「大丈夫?」と聞いても一切弱音を吐かないのがまた怖かった。

ストレスで入院する者、異動を繰り返す者も多く、今思えば墓場のような会社だった。

 

私は西東京エリア担当だったが、研修中は自宅の杉並区から二時間弱かけて高尾の僻地まで通っていて、朝8時前に家を出ても帰宅が21〜23時というバグが生じていた。「アフター5」なんていう幻のような言葉が憎かった。

 

教育係の「私たちが美しくなければ商品は売れません!」という言葉は重かった。

ブランドという威信をかけて商売をするのも気負うものが多かったし、重度のストレスで不眠症とか色々不具合が生じてきた。当時は薬事法が今より緩かったので向精神薬も易々と手に入り、シンガポールかどこかから運ばれてきた得体の知れないそれをミンティアのケースに入れて仕事中に舌で溶かしていた。痺れた愛想笑いが板につく。のちに完全に中毒になってしまう。今でもミンティアを見るとなんとなく、込み上げてくるものがある。

誰にも何も言わずに辞表を出してハイヒールとストッキングを捨てた春の夜は心地よく、もう中央線ではらはらと涙を流すこともないのだと自分に言い聞かせた。

つらいことは言葉にするのもつらかった、とアパートで大泣きした。

 

私はもう、保証も保険もいらないし、嫌われても馬鹿にされてもいいから、人生を全うしたい。

 

 

 

やけくその引用句なんて!

新宿のだだっ広い名曲喫茶で昨日接客したばかりのお客さんを見つけて、改めて世間は狭いなとひとりごちている。いちばん端の席に座ってから10分ほど、ウエイターに存在を気付かれなかったし、あの人もこのままわたしに気づかないでいてほしい。蝶ネクタイをして銀のお盆を持ったウエイターは大欠伸をしている。

ショートケーキは子供っぽいかなと誰に対してなのかわからない見栄を張ってアーモンドミルクのケーキを注文した。甘くて大きかった。

 

思った以上に今週に疲れて、午前中に宅配便を受け取った3分ほどの時間を除けば14時間くらい眠りこけていた。

起きてホットミルクを飲んで換気をして、今日こそは、と谷川俊太郎展へ。

閉館ギリギリに滑り込んで、早速真っ暗な部屋でモニターとスピーカー20台ほどに囲まれて言葉と音と光を浴びる。

しばらく部屋の真ん中に立って惚けていた。

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音楽はコーネリアス小山田圭吾

 

「朝が新しいなら夜は古いのかな?」

という手書きの詩が展示されていた。

そういえば、昨年六本木のスヌーピーミュージアムへ行った際の胸を撃ち抜かれるような愛まみれの翻訳が本当に良かった。愛あって孤独あり。

谷川俊太郎氏へ宛てた過去の葉書なども展示していたのだけど、住所が私が前に住んでいた家と至近でなんとなく嬉しくなった。

 

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「こうして言葉にしてしまうとどこか嘘くさい」ということが死ぬほどわかるし、ますます読むこと書くことに心酔してしまう。

 

オペラシティを出てから新宿区と渋谷区の狭間に立って、首都高をにらみながら散歩をした。薄着で歩く。

都庁、ルミネ2、ベローチェ、鳥貴族のまがい物、無印良品、路上ライブ、ティッシュ配り、免税店、バスタ新宿、脱毛サロン、ロッテリア、風俗案内。

先月帰省した時に、同い年の従兄弟が着ていたダウンが「カナダグース」というブランドの物だと初めて知り、(最近みんな似たようなダウンを着ている)というぼんやりとした意識しかなかった私を、親族で一人だけ東京都心で生活しているのに一番田舎者だと知らしめる事となった。

家にテレビが無くて一体何してんの?と聞かれても答えはずっと同じ、本を読んだり音楽を聴いたりしています、子供の頃からの夢想癖でいそがしく、テレビを見る暇はありません。カナダグースも、きっと祖母が亡くなっていなければ一生知ることもなかっただろう。夜中まで煌々とネオンを放つ街でひっそり呼吸をしている。

 

東京へ来て8年目の春がやってくる。

口に含んだ淡い酸味で、やっとお冷がレモン水だと気が付いた。

 

死相のつたが膝で絡まってんのか

風邪を引いて、寝たり起きたりしている。

インフルエンザが流行っているので若干の具合の悪さも見逃せないと思っていたら今月だけで3回も鼻の穴に綿棒を突っ込まれる羽目になった。

今朝も起きて病院に行こうと診察券を取り出して、電話予約が出来るというので音声案内に従って手順を進めていくと、9時すぎの時点で「あなた の 受付番号 は 63 番 、現在 9 番 の 方 が 診療中 です 遅れずに いらしてください 」と機械に告げられて終わった。

63番という果てしない数字に目眩がしそうになりながら、1時間ほど自宅待機して10時半過ぎに病院へ行ってみた。小児科も併設されているので子供が多い。

予約している旨を伝えると、受付の女性に「現在9番の方が診療中ですので恐らく12時半過ぎになるかと思われます」と言われた。

おい、9番何やってんだよ!と叫びそうになりながら、朦朧とした頭で「ええ…」と動揺していたら、熱を測らされて、「キャンセル待ちで繰り上げることも出来るので院内でお待ちください」と指示を受けた。

 

待合室のキッズスペースでは「しまじろう」のアニメが流れていた。

初めて見たしまじろうのお父さんがキャプテン翼みたいな頭身でマスクの下でグフフと笑ってしまった。

 

幸い15分ほどで名前を呼ばれて診察を受け、インフルエンザは陰性だが熱があるので油断厳禁、と抗生物質などの薬を処方された。美人の女医だった。

 

調子が悪いと果汁100%のジュースを飲みたくなるので買って帰る。

子供の頃、よく高熱を出してはハーゲンダッツを食べさせてもらったのを覚えている。風邪にはミルクたっぷりのアイスが良いというのが母親の持論だった。

乳・卵アレルギーだった名残か牛乳が苦手だったので、アイスなら食べられた。

 

そういえば数日前に派手に転んで膝から流血したところが痛い。

もともと右膝に二つ並んだ丸い傷跡があって(幼い頃に近所に住むたっくんに押されて転んだ跡)、その下に新たに大きめの傷が出来たので、膝に人面瘡が発生した。

瘡蓋が取れたらインスタグラムにでもアップしようと思う。

 

頭と膝が痛い。

昨日お客さんが「これをかけてください」と持ち込んだ「がんばれ!ヤングジャイアンツ」というレコード(という名のただの実況中継)が頭の中で鳴り続けている。店のディープさが極まった瞬間だった。

 

明日はこだまさんが阿佐ヶ谷へ降り立つ日らしい。嬉しい。

チケットは取れなかったがなんとか拝めないだろうか。

私がこだまさんを好きな理由は、どれだけ自分が傷ついて不遇の身に遭っても全て天災のように受け止める清さにある。

「書く」ことで心が浄化される、という感覚が改めてわかった。

 

独りよがりでいいのでこのブログもひっそり続けていこうと思う。